読誦（どくじゅ）～アリになった数学者～

活動報告・開催情報

2018.11.18
お勧め本

読誦（どくじゅ）～アリになった数学者～

毎週土曜日14:30から、銀座の綿本ヨーガスタジオで開催している
マインドフルネスヨガのクラス。

このクラスでは、私が日常で感じたこと、やってみて良かったことを、
役立ったこと、などを紹介しながら、
みんなで一緒にマインドフルな感覚を深めてゆく練習をしてゆきます。

男性や、初心者の方、体のかたい方、など誰でも安心してご参加いただけます。

毎回テーマを一つ設けて、
「知識を附に落とす」こと大切にしてゆきます。
テーマを設けることで、ただ漠然と練習をするよりも
より的をしぼって練習することができ、知識を体感しやすくなります。

このホームページでは
毎回クラスでどんなテーマで、どんな練習をしているのかを
ご紹介しています。

＊＊＊
１1月１７日(土)　テーマ：読誦（どくじゅ）～アリになった数学者～

今日はヨガの八支則の一つ、
読誦（どくじゅ）についてお話したいと思います。

皆さん、秋といえば、何ですか？
スポーツの秋？　食欲の秋？　芸術の秋？
いろいろありますけど、今日は「読書の秋」ということで、
私が最近読んで感動した本を紹介したいと思います。

ヨガの八支則という教えの中に、
禁戒（ヤマ）・歓戒（ニヤマ）という、
日常生活の中でやった方が良いこと、やらない方が良いこと、
という教えがあります。

その中の一つに、読誦（どくじゅ）という教えがあります。
直訳すると、お経を読むっていうことなんですが、
私はこれは、お経でなくても、良い書物を読みましょう、
自分の心の栄養になるような、良い本を読みましょう、
という意味だと思っています。

それで今日は私が最近読んで感動した本。
この「アリになった数学者」を紹介したいと思います。

あんまり感動したんで、あちこちで紹介して回ってるんですけど、
決して出版社の回し者とかじゃないですよ（笑）

この本、絵本なんですけどね、
私がいつもヨガやマインドフルネスで感じていることや
みんなに伝えたいと思っていることが、
とても美しく、見事に描かれているんですよ。

もう全部読み上げたいくらい、素晴らしいんですけど、
それだとヨガする時間がなくなっちゃうので、
１つだけエピソードをご紹介したいと思います。

この本、主人公の数学者が、気づいたらアリになっていた、
というところからお話が始まるんですね。

で、その数学者はなんとかして、アリに人間の世界の数学、
数の概念を伝えようとするんですが、なかなか上手く行かない。
なにせ、相手はアリですから。

ある時、地面にアスパラの実が
落ちていることに気がついたんですね。
数えたら７つある。

それで仲間のアリたちに、声をかけるんです。
「アスパラの実が七つ落ちてますよ」って。

そうすると仲間のアリが
「七つの実？聞いたことないわね。
それより、とにかく、アスパラの実を運びましょう」
そう言って、えっほ、えっほ、と巣に運び込むんです。

で、数学者はまだ六つ残っているのを知っているから、
「二つ目の実を取りに行きましょう」そう言うと、

仲間のアリは
「二つ目の実？なんですかそれ？
それより、そうそう、アスパラの実を取りに行きましょう」
そう言って、えっほ、えっほと、取りに行く。

で、数学者はまだ五つ残っているのを知っているから、
「三つ目の実を取りに行きましょう」そう言うと、

仲間のアリは
「三つ目の実？、なんですかそれ？
それより、そうそう、アスパラの実を取りに行きましょう」
えっほ、えっほ、えっほ。。。

これが七回繰り返されるんですね（笑）

分かりますか？
アリにとっては、一つ目も二つ目もなくて、
今、目の前にあることだけが、全てなんですよ。

アスパラの実は、アスパラの実で、
それ以上でも、それ以下でもないんですよ。

私たちって、つい未来のことを考えて、
また次もあるから、って、手を抜いたり、
過去のこと考えて、前にこれ食べたことあるし、とか思って、
全力で今を味わっていないことってないですか？

ヨガしてる時も、なんだまたダウンドックか、
とか思って８０％位の力でやったり、
戦士のポーズか、後で反対側もやるからな、
ちょっと体力を温存して、、、
なんて、私が見ていない時に
こっそり膝をゆるめたり、、、していませんか？（笑）

でもね、本当は私たちにとっても
今、目の前にあることが全てなんですよ。